機構運動工学

機械とヒトのメカニズムと運動を創る!知る!

移動したり、作業をするロボットは、工場を効率化したり省力化することに貢献しています。また、パーソナルモビリティなどの小さな乗り物は人の生活を便利にしてくれます。我々の研究室では、新しいロボットや機械のメカニズムの提案や、新しい機能を持った乗り物やエンターテイメントを目的とした乗り物の提案をしています。また、ヒトは骨格と筋肉の構造を基にして様々な動きをすることができます。本研究室では、ヒトの動作に含まれる不思議な未知な特性を発見し、ヒトの動作について理解を深める研究や、足・脚の動作によってロボットなどを操作することの可能性を明らかにする研究を行っています。

教員

小森 雅晴 ( Masaharu KOMORI )

小森 雅晴教授(工学研究科)

研究テーマ

新メカニズムの研究や、小さな乗り物を対象とするライディングロボティクスの研究、ヒトの動作に含まれる不思議な未知な特性を発見し、ヒトの動作について理解を深める研究、足・脚による操作の可能性を明らかにする研究を行っています。

連絡先

桂キャンパス C3棟c1S11室
TEL: 075-383-3587
E-mail: komorimアットマークme.kyoto-u.ac.jp

寺川 達郎 ( Tatsuro TERAKAWA )

寺川 達郎助教(工学研究科)

研究テーマ

車輪式移動ロボット用の全方向移動機構の開発や小型・高トルクなモータ機構の開発など、 機械やロボットのメカニズムについて機構学の理論と実験による研究を行っています。

連絡先

桂キャンパス C3棟c1N07室
TEL: 075-383-3589
FAX: 075-383-3590
E-mail: terakawaアットマークme.kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

ロボットや機械のメカニズムを創る

移動したり、作業をするロボットは、工場を効率化したり省力化することに貢献しています。このようなロボットには様々な動作が要求されますが、それを実現するためには、適した構造や関節のメカニズムが必要となります。我々の研究室では、新しいロボットや機械のメカニズムの提案を行い、理論解析や機構創成によりそのメカニズムについて理解を深め、効果を大きくする研究をしています。

小森研 モバイルマニピュレータ

モバイルマニピュレータ(作業移動ロボット)は物体を運んだり操作するために使われています。本研究では、パラレルメカニズムと2台の二輪駆動車で構成されるロボットを提案しました。この機構はプラットフォームの位置と姿勢を4つのモータだけで制御できます。また、二輪駆動車の経路計画法を提案しました。これらの提案の有用性を検証するため、実験用プロトタイプを構築し、実験しました。

小森研SWOM

全方向移動ロボットは工場や倉庫内での製品の搬送作業を効率化してくれます。しかし、これまでの全方向移動ロボットは車輪機構が複雑であるという課題がありました。本研究では、3つの受動的に動く滑り対偶によってロボット本体に接続される3つの車輪を備えた全方向移動ロボットSWOMを提案しました。これにより、普通の車輪を用いて全方向移動することが可能になりました。

ライディングロボティクス

パーソナルモビリティなどの小さな乗り物を対象とする、ライディングロボティクスという研究分野があります。我々の研究室では、新しいメカニズムや機能を持った乗り物や、エンターテイメントを目的とした乗り物を提案、研究しています。

komorim_fig1.jpg

本研究で開発した一人用の乗り物パーモビーは、どの方向にも移動可能なアクティブオムニホイールを用いることにより、前後だけでなく真横にも斜めにも移動することができ、また、その場で回転して向きを変えることができます。これにより、狭いスペースでの移動などが簡単になります。

ヒトの動作特性の不思議を知る

ヒトは骨格と筋肉の構造を基にして様々な動きをすることができますが、詳しく観察すると不思議な動きをしています。本研究室では、ヒトの動作に含まれる不思議な未知な特性を発見し、ヒトの動作について理解を深める研究をしています。例えば、ロボットなどをジェスチャーで操作する際のヒトの動作について理解を深めることで、操作のしやすい直感的操作システムを実現することを目指した研究をしています。

小森研ロボットアーム

操作者が腕を動かすとロボットアームも同じ動きをするという操作方法であれば、容易に操作できると考えられます。本研究では、その際に操作者が意図した腕の動きと実際の腕の動きの違いを調査し、操作者が手の位置を左右方向や上下方向に真っ直ぐ動かそうとしても、実際の動きは凸の曲線状の動きをする傾向があることを明らかにしました。

足・脚による操作

足・脚には多くの関節があり様々な動作が可能ですので、その動作によってロボットなどを操作することが可能かもしれません。我々の研究室では、そのような足・脚による操作の可能性を明らかにする研究を行っています。

小森研ロボットハンド

足指はさまざまな動きが可能ですので、ロボットなどの操作に用いることが可能かもしれません。本研究では操作の際の足指の動きの特徴を調べるために、ワイヤ変位センサと評価実験システムを提案しました。実験の結果、足指を操作に用いることは可能であること、操作に用いる足指が1本か2本かによって動かしやすさが異なることを示唆する結果を得ました。また、手の指と足指の操作能力の違いを比較しました。