環境熱流体工学

乱流現象の理解・予測・制御 ―亜音速から超音速まで―

流れやその中での熱輸送は環境中や工業装置・輸送機器の内外などいたるところで見られる現象であり、その現象を理解することは現代社会が直面しているエネルギー問題とも関連して重要となっています。本研究室では、このような機械工学に関連する種々の流体力学問題、特に乱流輸送現象に関して、風洞実験やスーパーコンピュータによる数値解析を駆使した研究を行っています。

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教員

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長田 孝二 ( Koji NAGATA )

長田孝二教授(工学研究科)

研究テーマ

乱流の発達と減衰過程に関する研究や衝撃波、圧縮性乱流に関する研究を行っています。また、翼周りの流れなどの空力に関する研究も行っています。

連絡先

桂キャンパス C3棟b2S13室
Tel: 075-383-3609
E-mail: nagata.koji.2yアットマーク

研究テーマ・開発紹介

以下のような研究を行っています。

・乱流の発達と減衰過程
・衝撃波と乱流の干渉
・高速流(噴流,混合層,境界層など)中の乱流現象
・浮力や旋回を伴う乱流場の構造と熱輸送現象
・微気象環境下の乱流輸送現象
・超音速流れ場における熱物質拡散・混合・反応・燃焼現象の解明と数値モデルの開発
・翼周りの流れの制御・計測・数値予測

以下では主なものを紹介します。

乱流の発達と減衰過程 

乱流の生成(空間発展)と減衰(散逸)機構を明らかにすることは、乱流物理学研究の根幹を成す課題であり、未解決問題でもあります。本研究では、風洞実験やスーパーコンピュータを用いた数値解析により、静的/動的乱流格子によって生成される準一様等方性乱流(格子乱流)の発達と減衰過程を明らかにすることを目指しています。

格子乱流風洞 動的格子

 格子乱流風洞(計測部0.6m×0.6m×12m)              動的格子 

衝撃波/乱流干渉

次世代民間超音速旅客機の実現に向けて、ソニックブームの正確な予測が重要となっています。近年の研究により、超音速旅客機から発生した衝撃波は大気乱流と干渉してその特性を変化させることがわかってきました。本研究では、風洞実験やスーパーコンピュータを用いた数値解析により、乱流と干渉した衝撃波の特性の変化を研究しています。究極的には、ソニックブーム低減技術の開発を目指します。

乱流衝撃波干渉

乱流中を伝播する平面衝撃波の直接数値計算:乱流と干渉した衝撃波は変形し、条件によっては一部消失します。   

 圧縮性乱流

超音速~極超音速で飛行する機体周りの境界層・後流や超音速噴流など乱流による速度変動が音速と同程度となる圧縮性乱流場では、流体運動により衝撃波などの強い圧力波が乱流中を伝播します。こうした流れの特性の解明や制御手法の確立を目指し、スーパーコンピュータを用いた大規模数値計算や圧縮性乱流場生成装置を用いた実験を行っています。

超音波噴流

超音速噴流の直接数値計算