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環境熱流体工学

本研究室では、流体機械、化学プラントおよび大気・海洋等の環境中に見られる運動量、エネルギー、物質の乱流輸送現象に関連した未知の現象を取り上げ、それを室内実験および数値計算を通して単純な形で再現することにより解明する基礎的研究を主におこなっています。

さらに、この基礎研究の成果を流体機械及び化学プラントの最適設計、環境予測制御などの実用上の問題の解決に寄与できるものとする応用的研究もおこなっています。

研究の方針としては、実際に起きている流体現象を自分の目でみることの大切さをハードな室内実験を通して知り、単なる数値計算だけの机上の研究のみに終始しないことに重点を置いています。

教員

* メールアドレスの後ろに .kyoto-u.ac.jp を補ってください。

黒瀬 良一 ( Ryoichi KUROSE )

黒瀬 良一准教授(工学研究科)

研究テーマ

乱流輸送現象をベースに、混相流、反応流、および燃焼流など、環境やエネルギーの問題に関わる研究を行っている。

連絡先

桂キャンパス C3棟b2S15室
TEL: 075-383-3610
FAX: 075-383-3613
E-mail: kuroseアットマークmech

研究テーマ・開発紹介

気液界面を通しての熱と物質の移動機構と界面近傍の乱流構造の解明

この研究では、乱流状態で流れる上層の気流と下層の液流との間に存在する気液界面近傍での乱流構造とその界面を通しての熱と物質の輸送機構を、室内実験と数値計算を用いて解明することを目的としています。

この気液界面でのスカラ輸送現象は、大きなスケールでは地球の温暖化や気候予測の問題で重要となる大気・海洋間での熱と物質の交換速度の正確な評価法の確立と、小さなスケールでは蒸発、凝縮、ガス吸収などの気液接触型の工業装置の最適設計の問題と深く関連しています。

これまでに、気液界面に働くウインドシアーが風波を伴う気液界面を通しての熱と物質の輸送に及ぼす影響、また、温度成層やうねり、降雨の存在が気液界面を通しての物質移動に及ぼす効果について研究をしています。また、風波乱流場で発生する気泡・液滴内外での流動構造や物質移動機構の解明もおこなっています。


図-1 風波気液界面を通して吸収される物質(CO2)の瞬間濃度分布

熱と物質の乱流拡散機構の解明及び流体混合反応促進技術の開発

この研究では、2種類の反応性の流体が乱流場に投入された場合、反応の進行が乱流による混合状態にどのように影響されるかを室内実験と数値計算を用いて明らかにすること、また、流体間の密度差に起因する浮力が熱、物質、運動量の輸送に及ぼす影響を室内実験と数値計算を用いて解明することを目的としています。

また、マイクロスケールから実用反応器スケールに及ぶ多種多様の流体混合反応促進技術の開発もおこなっています。さらに、化学反応器の数値シミュレータを開発するためには反応乱流のモデル化が必要であることから、これらのモデル構築に関する研究もおこなっています。


図-2 せん断乱流場の可視化写真(上)と数値シミュレーション(下)

乱流場での粒子の飛散機構の解明及び組織的乱流構造と飛散機構との関連性の解明

この研究では、乱流場を飛散する粒子(固体粒子、液滴、気泡)の運動機構を流体中の組織的乱流構造と関連づけて数値計算及び室内実験により明らかにし、乱流場での粒子運動をシミュレーションすることができる数値モデルを作ることをめざしています。

この問題は工業的には粉体の輸送や集塵技術の開発の問題、環境工学的には砂漠の砂の移動予測、貯採石場等からの粉塵被害の予測などの問題と密接に関連しています。

本研究では粒子に働く流体力の正確な評価、粒子運動に影響を及ぼす組織的乱流構造の解明などの研究を積極的に進めています。

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図-3 固体粒子球周りの渦度分布(速度勾配なし)

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図-4 固体粒子球周りの渦度分布(速度勾配あり)

実用機械・化学工業装置内での流体混合機構及び粒子の分散機構の解明

この研究では、重合反応攪拌槽等内での低粘度及び高粘度流体の混合反応機構の解明及びロールミル、サンドミル等の粒子分散機内の流体の流動機構と粒子分散機構との関連性の解明などを室内実験を通しておこない、実用装置の最適設計をおこなうことを目的としています。また、CFDの化学装置設計への応用として、攪拌槽などの工業装置内での乱流混合反応現象をシミュレーションできる数値計算ソフトの開発などもおこなっています。