進化型機械システム技術産学共同
京都大学の「知」と産業界の「技」で社会に貢献
京都大学工学研究科は三菱電機株式会社と共同で継続的なイノベーションの創出とイノベーションを担う人材の育成を目標とした産学共同講座を設立しました。
本講座は京都大学の有する知見と、三菱電機が手掛ける幅広い電機製品・システムを組織的に連携させることで、学際的な知見の活用により多様な社会の課題を解決する「進化していく機械システム」の研究開発と、イノベーションを担う人材育成に取り組みます。
- 研究室ホームページ(準備中)
教員
栗重 正彦 ( Masahiko KURISHIGE )
特定准教授(工学研究科)
連絡先
桂キャンパス C3棟b4N05室
TEL: 075-383-3538
E-mail: kurishige.masahiko.5y アットマーク kyoto-u.ac.jp
研究テーマ・開発紹介
講座開設趣旨
近年、サイバーフィジカルシステム※の実現に向けた研究開発の加速は目覚ましいものがありますが、高度化・複雑化する実社会の課題を本質的に解決するには、サイバー空間の高度化と並行して、物理・物性・制御・最適化などのフィジカル空間を対象とした技術革新が不可欠であり、この実現には、基礎研究の段階から、大学が持つ技術シーズと産業界が認識するニーズを組み合わせることが重要です。
京都大学と三菱電機は、2005 年から進めてきた機械分野での共同研究をさらに深化発展させるためには、研究テーマを共同で探索し、異なる立場の知を融合できる共同研究体制が必要と考え、今回、先端機械工学分野におけるイノベーションの創出と、イノベーションを担う人材育成を行う共同講座を開設しました。
※ 現実社会とサイバー世界が一体となることで、より高度な社会の実現を目指すサービスおよびシステム
イノベーション創出研究テーマ
人との関わりを考慮した先進機械システム研究および技術シーズとしての高度な基礎研究とその応用として、大きく以下の3分野の研究を進めます。
- 人と垣根のない機械システム:人と機械が共存する未来社会では、人を的確にサポートする機械システムが必要です。この実現に向けて、これまでの機械工学中心の研究者に加え、医学・心理学などの分野の研究者とも連携し、研究開発を進めます。
- 次世代自律分散制御: 次世代のIoT (Internet of Things)として、機械と異なり行動にばらつきのある人が直接IoTに介在できるIoHT(Internet of Humans & Things)社会の実現を目指し、自律分散制御を核として、あるべき姿のコンセプト作りから実現に必要な要素技術まで幅広く研究開発を進めます。
- 先進機械デバイス研究と応用:ナノテクノロジーなど物理現象に基づく基礎研究をもとに、応用の可能性を探る研究を行います。先端研究を融合することで、桁違いの物理特性を実現する機械デバイスを開発し、社会実装を目指した実用化開発につなげることを目指します。
本産学共同講座の特長
- 企業人材の派遣による共同研究の推進:三菱電機 先端技術総合研究所から1 名を特定教員として京都大学へ派遣し、より密な連携のもと、共同研究を推進します。
- 研究テーマの継続的な議論と設定:シーズとしての基礎研究を実用化するためのニーズ開拓と、ニーズからの新たな基礎研究のテーマ発掘を繰り返し、シーズとニーズの双方向からの継続的な議論を重ねることで、社会課題に対してイノベーティブな研究テーマの設定と社会実装の加速を推進します。
- 異分野融合のハブ:京都大学が持つさまざまな学際的分野の技術と、三菱電機が持つ幅広い産業分野の技術を組み合わせるダイバーシティを持つハブ機能を担います。
- 人材育成:京都大学の学生(特に博士後期課程)および三菱電機の研究者を対象に、イノベーションを担うことのできる人材を、共同研究を通じて育成します。