日本アイラック危機管理情報

○中国:各都市で尖閣国有化に抗議デモの呼びかけ 注意情報(2012.09.13)

日本政府が沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を購入することで地権者と
合意し、尖閣諸島の取得・保有に関する関係閣僚の申し合わせを発表した
ことを受けて、中国外務省は日本政府による尖閣国有化を「不法占拠であり、
誤った決定、実効支配は絶対に認めない」と強く主張し、直ちに撤回するよう
要求していると報道されています。また、同省の副報道局長は定例記者会見
で「必要な措置を取って領土の主権を回復する」と述べるなど、国有化方針へ
の強い対抗措置を示唆しています。

■尖閣諸島の国有化に反対する抗議デモ発生状況(2012年9月12日)
北京や上海、広東省広州、山東省威海などの中国各地で3日連続して
断続的に発生しましたが、いずれも小規模なもので、デモの暴徒化は
確認されていません。各日本大使館・領事館の周辺には多数の中国公安
関係者や公安車両が配置されており、デモの動きを厳しく管理し、
過激・暴徒化が警戒されています。

・北京:日本大使館前では9月12日午前、尖閣国有化に反対する中国人
20人以上が断続的に訪れ抗議デモを行った。
・上海:日本総領事館前では若者を中心に計15人前後が中国領有権を主張。
・広東省広州:日本総領事館前でも数人が抗議活動を行った。
・山東省威海:約200人がデモ行進。
・広東省深セン:反日デモが呼び掛けられたが、抗議活動は起きていない。
深センの中心街で多数の警官が警戒に当たっている。

■9月13日現在: 尖閣諸島の国有化に関する中国の対抗措置

A)中央政府による厳格なメディア統制がなくなり、中国各紙は北京の
日本大使館前で抗議する中国人デモの写真を第1面に掲載し、
「第2次世界大戦以来、中国の主権に対する最もあからさまな挑戦」
として、海上保安庁(日本)の巡視船と衝突する可能性も排除できない
との専門家の見方を伝えています。
・国際メディアによりますと、中国紙が『国民の反日感情をあおる目的で
反日デモの写真を1面に載せるのは極めて異例であり、国を挙げて
日本に対し抗議する姿勢を国民に見せる意図がある』との見方が
有力です。また、政府当局の反日デモ・抗議活動の容認姿勢が反映
されており、今後中国各地で抗議デモや活動が多発する可能性が
指摘されています。

B)中国首相は日本の尖閣国有化に対し、「中国政府と人民は主権と
領土の問題で絶対に半歩も譲らない」と反発を強めており、日中国交
正常化40周年を記念した交流事業などが中止に追い込まれています。
・中国共産党は、9月21日から行う予定だった日中両国の官僚による交流
事業の延期を在北京日本大使館に通知。
・福島県知事は9月11日には北京で予定されていた中国政府の民間航空
担当部門トップとの会談が急遽中止。また、9月12日に上海で予定されて
いた同知事と中国東方航空会長との会談は直前に中止。
・中国の大手旅行会社が、尖閣諸島の国有化に対する抗議として、中国
国内の支店に日本への旅行や募集を全て中止するよう通知。
同旅行会社は、10月1日の国慶節(建国記念日)の連休に計画していた
日本への旅行を取り消し、日本行き旅行ツアーの引率や受け付けの
手続きを全て中止すると発表。

C)上海の日本人学校は運動会を延期
中国上海市にある日本人学校は9月15日(土)に予定していた運動会を
延期したと発表しています。尖閣諸島をめぐる問題で反日感情が高まった
ことを受け、中国では土日に抗議活動が行われることが多いため、不測
の事態が起きないよう平日に変更する予定と伝えられています。

日本国外務省は9月12日付で中国全土に「注意喚起」を出し、中国国内の
在留邦人や中国に渡航予定の邦人に対し安全確保に注意を払うよう
呼びかけています。

■日本国外務省: 中国全土:最近の日中関係の動きに係る注意喚起
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2012C283

上記の最新情報から、対日抗議活動やデモが再び活発化する可能性が
指摘されており、インターネット上では今週末の反日デモの呼びかけが
増えており、今後、デモが地方に広がることが懸念されています。
また、一部の反日団体は「満州事変」の発端となった柳条湖事件の発生日
の『9月18日(火)』に、大規模な反日デモを中国各地で行うようネットで
呼び掛けています。

◆派遣元大学は、今後の情勢に応じて、いつでも参加学生と連絡が取れる
よう緊急連絡体制を整えてください。

◆また、派遣元大学は受入大学や機関(中国)に対し、デモ・暴動などが
研修地域の周辺で発生した場合を想定し、研修参加学生の生命、身体、
健康、財物等に危険が及ぶことがないよう、研修参加学生の安全確保に
向けた対策、措置を講じるよう依頼してください。

◆日本を強く非難する抗議の書き込みが反日サイトに継続しているため、
情勢は流動的であり、デモ・暴動など不測の事態に巻き込まれないよう、
最新の関連情報の入手に努め、自らの安全対策を心掛けて冷静に行動
するよう以下を参加学生に案内することをおすすめします。

①中国各地で今週末(9/15~9/16)、及び柳条湖事件の発生日の
『9月18日(火)』は中国各地大規模な反日デモが呼び掛けていることから、
できるだけ不要不急の外出を控え、外出する場合はデモ周辺地域や
在外公館などには近づかないなど不測の事態に巻き込まれることのない
よう安全確保に十分注意する。

②外出する際には周囲の状況に格別の注意を払い、集会やデモなど
大勢の人が集る場所や繁華街には近づかない。
⇒特に、政治的な抗議集会やデモ行進等には興味本位で近づかない
⇒日本レストランや日本人経営店舗はデモの標的になる可能性が高い
ため、デモ発生の可能性が高い週末にはできるだけ利用は避ける。

③日本人同士で集団で騒ぐ等の目立った刺激的な行為は避ける。
⇒レストランなど公共的な空間で政治や歴史的内容の会話、
領土問題の議論を避ける。

④現地の人と接する際には言動や態度に注意し、現地住民や学生など
からの挑発には絶対にのらない。

⑤抗議デモ等の不測の事態が発生した場合に備え、家族や大学(担当者)
との間で緊急連絡先を再確認しておく。

⑥万一暴動やデモに遭遇した際には、巻き込まれないよう周囲の状況に
十分注意を払って冷静に行動し、速やかにその場を離れる。
また、暴動やデモに巻き込まれたり、緊急事態が発生した場合には、
在外公館領事部に緊急連絡を入れる(不用意に移動せず、できるだけ
安全な状態・場所で待機し、在外公館と連絡を取ることを心掛ける)

<在中国日本国大使館/領事部>
○在中国日本国大使館
(管轄地域:北京市、天津市、陝西省、山西省、甘粛省、河南省、
河北省、 湖北省、湖南省、青海省、新疆ウイグル自治区、
寧夏回族自治区、チベット自治区、内蒙古自治区)
住所(領事部):北京市朝陽区亮馬橋東街1号
電話:(市外局番010)-8531-9800 (代表)、
(市外局番010)-6532-5964(邦人保護)
国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表)、
(国番号86)-10-6532-5964(邦人保護)
○在瀋陽総領事館 024-2322-7490
○大連出張駐在官事務所 0411-8307-4077
○在青島総領事館 0532-8090-0001
○在上海総領事館 021-5257-4766
○在重慶総領事館 023-6373-3585
○在広州総領事館 020-8334-3009
○在香港総領事館 (+852)2522-1184

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