日本アイラック危機管理情報

○カナダ: ケベック州の州都 レジオネラ菌の感染拡大 (2012.9.4)

地元メディアによりますと、9/3日付でカナダのケベック州都の公衆衛生局
が発表した情報として、ケベック市内で流行しているレジオネラ菌の感染者
は173人に増え、感染による死者は11人に達したと報じています。
ケベック当局によると、感染者の「平均年齢は77歳」であり、感染拡大の
原因として、ビル屋上に設置されている空調システムを通じてレジオネラ菌
が外部に放出されている可能性が指摘されており、今後は市内のビル屋上
ににある冷却ファンの検査と除菌作業を行う計画を発表しています。

■レジオネラ菌:主な感染者と症状
①「レジオネラ症(菌)」の感染者は主に中高年者であり、なおかつ
喫煙者や肺に既往症を持つ人が大半を占めることから、10代~20代
の学生(肺炎、喘息などの呼吸器系に既往歴・治療中の学生を除く)
にはレジオネラ症のリスクはほとんどありません。
②レジオネラ症の主症状は、発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難、頭痛、
筋肉痛、下痢などですが、既往症を持つ中高年の場合は意識障害、
精神神経系症状など重症化することがあります。

■感染経路と特徴
①エアロゾールや土埃の吸入による経気道感染が一般的で、
レジオネラ菌が含まれる水しぶきを吸い込むことにより感染します。
②レジオネラ菌の特徴として、一般には自然環境には見られず、
温かい水の中で増える傾向があります。
⇒特に、冷却ファンや冷房の『室外機』に溜まっている水、衛生的ではない
シャワーやジャグジー風呂等の水の中に存在しており、その水しぶきを
吸い込むことにより感染します。冷気を吸い込むだけでは感染しません。
③潜伏期間は平均4~5日となっています。
④人から人へうつることはありません。

当該地域へ学生や教職員を派遣されている大学ならびにこれから派遣を
予定されている大学は、レジオネラ菌に関する基本情報(上記)を確認
したうえで、過剰に反応する必要はありませんが、最新の関連情報の
入手に努めるとともに、市内のオフィスビル街や観光施設等に外出時の
健康管理に十分注意しるよう以下を案内することをおすすめします

A)ビル屋上の冷却ファンから落ちる水しぶきやエアコン近くの水しぶき
(水分を多く含む空気)を直接吸い込まない。
B)非衛生的なシャワーやジャグジー(公衆施設など)の利用は避ける。
C)参加学生の中に肺炎、喘息などの呼吸器系に既往歴・治療中の
学生がいる場合には、マスクやタオルを利用して水しぶきを吸い込ま
ないよう指導する。
D)レジオネラ菌の症状が見られた場合は、すぐに引率者に報告し、
地元の総合病院(呼吸器科目)で診断を受けるよう手配する。
⇒発症予防のワクチンはなく、感染した場合の治療法は抗生物質
の投与が一般的。


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