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機械システム創成学

我々の接する機械システムには自動化がさまざまな形で組み込まれています。しかし現実には、大規模・複雑システムの監視制御から、ものづくり現場、日常的一般機器の使用に至るまで、あらゆる場面でのヒトの介入が不可避です。

我々はこのような問題に向けて、ユーザビリティを考慮したシステムの人間中心デザインに取り組んでいます。ヒトと機械の間の相互作用を認め、それを積極的に用いる設計、人間の論理と機械の論理が同時に働きながら相互作用することを許容し、その間の干渉を積極的に取り入れることで、更なる分かり易さと使い易さを保証するためのデザイン原理について研究をおこなっています。

教員

椹木 哲夫 ( Tetsuo SAWARAGI )

椹木 哲夫教授(工学研究科)

研究テーマ

ユーザ(オペレータ)自身がシステム機能を探索することで理解を深め、単にデザイナが外から規定するだけでなく、ユーザの側での「生成」を含んだ情報処理に適合するための機械製品の知能化技術について、サイバネティクス、人工知能、意思決定論などのシステム工学手法を用いた研究をおこなっています。

連絡先

桂キャンパス C3棟 b1S15室
TEL: 075-383-3581
E-mail: sawaragiアットマークme.kyoto-u.ac.jp

中西 弘明 ( Hiroaki NAKANISHI )

中西 弘明講師(工学研究科)

研究テーマ

学習や適応システムおよびその制御工学への応用に関して研究しています。また、自律型ロボットの研究開発,特に自律型無人ヘリコプタの開発とその安全・防災活動への適用に関する研究をおこなっています。

連絡先

桂キャンパス C3棟 b1S17室
TEL: 075-383-3582
E-mail: nakanishiアットマークme.kyoto-u.ac.jp

堀口 由貴男 ( Yukio HORIGUCHI )

堀口 由貴男助教(工学研究科)

研究テーマ

自律ロボットに代表される知能機械と人間による共同作業において、直面する作業状況に応じて柔軟にその役割を変えることのできる適応的なシステム設計について研究しています。特に、人間の認知的・社会的特性の観点から、人間にとって自然な操作系の実現に主眼を置いて取り組んでいます。

連絡先

桂キャンパス C3棟 b1N04室
TEL: 075-383-3584
E-mail: horiguchiアットマークme.kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

人間―機械系における人間知と機械知の融合のためのシステムデザイン

複数の人間が共同して何かしらの作業遂行にあたる場合、うまくことを運ぶためには当然のことながらその集団内で個々の状況に対する認識を整合させる必要があります。このことは人間と自律制御可能な知能機械とによる共同作業についても同様です。制御・情報処理技術の革新にともない、種々の自動化が多種多様な領域で実装されていますが、それらが人間にとってつきあいやすい「パートナー」であるか否かをいま1度考え直さなければなりません。

本研究室ではこれについて、適切な状況認識の共有や状況に応じた柔軟な作業分担の観点から、人間知と機械知を融合するためのシステムデザインに関する研究をおこなっています。そのために、「インタフェース・エージェント」や「共有自律」、「相互主導型対話」等の概念を基礎として、人工知能や知識工学の手法を駆使しつつ、パイロットと航空機を仲介するECLエージェントや、レスキューロボットのための遠隔操作系、原子力プラントの監視操作系の設計の研究に取り組んでいます。

図-1  人間と制御対象の間に介在して調停役を担うインタフェース・エージェントの概念図  

熟練技能の工学モデル化と操作系および習熟支援システム設計への応用

近年ものづくりの現場では熟練者の高齢化と若者の減少によって技能伝承の危機に陥っています。さらに、自動化機器の導入が推し進められる中で、生産性と品質の向上のためには「生産知」として培われてきた「熟練技能」を属人的なものから、組織として伝承し再利用していくための技術開発が急務となっています。

本研究室ではこれについて、分散認知や人間工学の考え方に基づく技能分析手法と人工知能や知識工学の技術を活用することによって、熟練技能を工学モデルへと抽出し、さらにそれを操作系のデザインや技能習熟支援システムへと応用すべく研究に取り組んでいます。そこには、NC工作機械の操作系の設計や、基板検査装置のティーチング作業支援システム設計、物流を支えるコンテナ積み付け技能の抽出等が含まれます。

      
図-2  NC工作機械の操作技能分析実験の様子

社会的存在としてのロボットの行動学習モデルの研究

近年人間と同一の環境下で活動するロボットの研究開発が盛んにおこなわれています。そのようなロボットには、人間と円滑にコミュニケーションできる能力が求められます。つまり指示に従って行動するだけの「人間に隷属するロボット」ではなく、ある意味対等に付き合うことのできる「人間のパートナーとしてのロボット」が求められます。

本研究室ではこれについて、あらかじめ設計者がその行動プログラムを埋め込んでしまうのではなく、人間あるいは他のロボットとの継続的なインタラクションを通して行動のための知識を獲得・修正してことのできる知能ロボットの「学習」について研究をおこなっています。


図-3  研究室で使用しているロボット