第7回活動成果報告会(2012.12.5)開催報告

第7回活動成果報告会(2012.12.5開催)は、派遣終了者10名からの報告が行われた。

第7回報告会写真1昨年に引き続き、京都大学・実習型夏季短期留学プログラム@カリフォルニア大学デービス校(2012.8.9~9.3)へ参加した機械システム学コース、宇宙基礎コースの学部生合計6名(工学研究科へ進学予定)へ助成を行ったが、今回はこの内3名から報告があった。留学プログラムの内容のほか、ホームステイ家族との交流、休日の過ごし方等、活き活きと報告が行われた。学部生のうちに、このような海外留学プログラムに参加することは、大学院での研究テーマに対するポテンシャルを得る
きっかけになるようである。

1年間アメリカに滞在した助教からは、研究成果の報告のみならず、滞在先の大学と京都大学を比較した際、京大の研究者育成体制、事務体制の国際化が急務であるとの問題提起があった。特にアメリカの大学は、学生・研究者1人に対する、大学スタッフが多く、研究者は大学経営や事務的な雑務に追われることなく、自身の研究にのみ集中できる体制が整っている。滞在していた大学では、年に1,2本ペースで国際論文を仕上げる研究者が多く居ることに体制の差を感じた。との報告。


第7回報告会写真3 英国の大学に滞在した博士学生からは、滞在したラボでは定期的に分野を超えた研究者が集まる会合が持たれ、彼らとのディスカッションにより、これまで自分が考え得なかった視点から自分の研究テーマにアプローチできたことが有益であった。また、学生や若手研究者の研究を側面からサポートする様々なレクチャーが行われていたことが印象的であったとのこと。

香港の研究所で文化財を高精度の画像でスキャンし、その画像解析と保存に関する研究に携わっている学生は、画像解析により文化財から多くの情報を得ることで、文化財保存に貢献することができたことに大きな達成感を感じた。また、この研究が香港の新聞に取り上げられた。との報告がなされた。

第7回報告会写真2

今回は学部生から教員まで、それぞれの立場から幅広い内容の研究成果報告を受けることができた。本プログラムは、来る1月末で終了予定であるが、後継のプログラムを求める声が多く聞かれる。各研究者が渡航先、期間を設定できるという自由度があることが、どの立場の研究者にも利用されやすい点であろう。海外への扉を開いた学生が、次の扉を開けるチャンスを手にすることを切に願う。